TikTokの米国売却が完了した直後、プラットフォームに異変が起きた。ICE批判動画の投稿障害や新プライバシーポリシーへの懸念から、ユーザーの一部が代替アプリへの移行を開始している。かつてTikTokが中国系アプリへの不信感で成長したように、今度はTikTok自身が「信頼」を問われる側に回った。
TikTok米国売却完了後、パレスチナ系オーストラリア人が創業したSNSアプリ「UpScrolled」のダウンロード数が3日間で約4万1,000件に急増し、1日あたりのダウンロード数は2,850%増加した
ソーシャルメディアの価値は「ユーザー数」から「誰が所有し、何を検閲しないか」という信頼の問題へ移行しつつある
TikTokの新プライバシーポリシーや検閲疑惑を背景に、「シャドウバンなし」「政治的中立」を掲げる代替プラットフォームへの需要が顕在化している
Overview
- UpScrolledはApp Store総合12位、SNSカテゴリ2位に急浮上し、木曜日から土曜日の3日間で累計ダウンロード数の約3分の1にあたる4万1,000件を記録した
- 創業者Issam Hijaziはパレスチナ系ヨルダン人・オーストラリア人の技術者で、IBM、Oracle、日立での経験を持つ
- TikTokは1月23日に米国事業の売却を完了し、Oracle、Silver Lake、MGXが各15%を保有する新会社「TikTok USDS Joint Venture LLC」が運営を開始した
- 売却後、ビリー・アイリッシュやクリス・マーフィー上院議員らがICE批判動画の検閲疑惑を指摘したが、TikTokは米国データセンターの停電による技術的障害と説明している
- オープンソース基盤の代替アプリSkylightも38万人以上のユーザーを獲得している
興味深いのは、UpScrolledの急成長が「機能」ではなく「所有と検閲」への不信によって駆動されている点だ。創業者がパレスチナ系であること、Tech for Palestineインキュベーターの支援を受けていること、「シャドウバンなし」を掲げていること——これらはすべて、TikTokの新オーナーがOracleのラリー・エリソン(イスラエル国防軍への巨額寄付者として知られる)であることへの対抗軸として機能している。ソーシャルメディアの競争が、かつてのUI/UX競争から「誰の検閲を許容するか」というイデオロギー競争へとシフトしている。プラットフォームの選択が、政治的立場の表明になる時代が到来した。
考える問い
- プラットフォームの「中立性」は本当に実現可能なのか、それとも所有構造が変わるたびに新たなバイアスが生まれる宿命にあるのか
- 「シャドウバンなし」を約束するプラットフォームは、ヘイトスピーチや偽情報にどう対処するのか——自由と安全のトレードオフはどこにあるか
報道記事・ソース
公式発表・一次情報
Well, this is new…
You showed up so fast our servers tapped out. Frustrating? Yes. Emotional? Also yes.
We’re a tiny team building what Big Tech stopped being. Right now we’re scaling on caffeine to keep up with what YOU started.
Bear with us. We’re on it. pic.twitter.com/OAlYcN6t5q— UpScrolled (@realUpScrolled) January 26, 2026
UpScrolled
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